NHK学園について


NHK学園仮事務所(昭和38年撮影)

郵送され来たリポート

学習ノート

教室でのテレビ視聴


創立の歩み

NHK学園(日本放送協会学園)は、昭和37年(1962年)10月1日に学校法人として認可され、翌昭和38年(1963年)4月1日にNHK学園高等学校が開校しました。
放送を主要な教育手段としながら、教育制度上の「正規の高等学校」として位置づけられた本校は、当時としても日本、そして世界的にも例のない革新的な学校でした。従来の学校教育が「生徒が学校へ通って授業を受ける」ものであったのに対し、NHK学園は「授業が放送を通じて生徒のもとへ届けられる」仕組みを導入。

この発想の転換により、働きながら学ぶ人や、地理的・時間的制約をもつ多くの人に、学ぶ機会を広く開く“開かれた学園”として誕生しました。

設立の背景

戦後日本が高度経済成長へと歩み始めた昭和30年代、都市への人口集中や若年労働力の増加により、働きながら高校教育を望む若者が増加しました。
しかし、定時制高校は数が限られ、通学の難しさから学びの機会を得られない人も多く存在しました。こうした中、NHKは放送の力を教育に活かすことを構想。昭和26年(1951年)頃から、各地の放送局で通信教育向けの番組を試験的に開始し、その成果を基に全国規模の教育機関としNHK学園高等学校の設立を決定しました。目指したのは「放送によって高校普通科の全科目を学べる通信制高校」をつくること。教育機会の均等を実現するという社会的使命のもと、全国の学ぶ意欲を支える学校として誕生したのです。

開校当初のNHK学園

開校のニュースは全国で大きな話題となり、東京・国立市に本校を置き、全国に70校以上の協力校を設置。
年齢や職業、居住地に関係なく誰でも学べる「開かれた学園」として、多様な生徒が集いました。中学を卒業したばかりの若者から、70歳を超える社会人まで。それぞれが自分の夢や目標を胸に、全国各地で入学式を迎えました。

 当初は教材の配送やレポート提出など運営上の課題も多くありましたが、職員たちは創意工夫を重ね、教材の改良や指導体制の整備に尽力しました。この努力により、生徒が途中で学習をあきらめることを防ぎ、昭和42年(1967年)には第1期生の卒業式を迎えました。

世界からの注目

NHK学園の教育方式は、海外からも大きな注目を集めました。当時、欧米ではテレビ教育が行われていましたが、主に学校の補助教材としての利用でした。
一方、NHK学園は「放送を直接的な教育手段」として採用しており、この点が画期的でした。イギリスではNHK学園の取り組みに刺激を受け、1969年にラジオ・テレビによる公開大学(Open University)を開設しています。

生涯教育への発展

昭和49年(1974年)、NHK学園は東京都の認可を受け、社会通信教育部(現・事業部)を設立。
高校生だけでなく、社会人や家庭の主婦など幅広い世代を対象とした通信講座をスタートしました。
これが、現在の「生涯学習」部門のはじまりです。

 国語・数学・英語に加え、書道などの講座も開設され、放送を活用した講座は全国各地の学び直しを希望する人々から高く評価されました。
“いつでも・どこでも・だれでも学べる”という理念は、今もNHK学園の根幹として受け継がれています。

(参考:NHK学園創立20周年記念誌昭和57年発行より)

(建築中の東京本校校舎)